1.4話

 寝室で向かい合わせに座っている少女に視線を移す。
 床に座り込んでいる俺の目線はベットに座る少女と良い感じに高低差があり、自然とスカートの中を覗き込む形になってしまう。
 少女は民間療法信者なのか座っても直、上を向いているので自分の恥部を覗かれようとしている事は露ほども気づいていない。
 多少幼いが、異性と密室で二人きりだと意識してしまうと、どうしようもなく湧き上がってくる劣情に支配され、ついついスカートの暗闇に目を凝らしてしまう。
 が、少女の脚はぴっちりと閉じており、辛うじて見える隙間は深い闇に閉ざされていた。
 うーむ……そう上手くはいかないか。
 普段隠されている異性の恥部が見れるチャンスなのに、見る事が出来ないという矛盾に強いジレンマを感じてしまい、勝手に覗いているだけなのにまるでお預けでも喰らったかのような気分になってきた。
 こうなってくると別段意識してなかった脚までも性欲を刺激する要素に見えてきてしまう……。
 年齢を感じさせる瑞々しい、少し陽に焼けた肌は柔らかさを感じさせ、指を滑らせると綺麗に滑るんだろうな、と連想させる。

(あー、やばい)
 下腹部に痛みを感じ、下を覗いてみると。いきり立った息子がズボンでテントを張っていた。これを見られるのは流石にまずい……。
 目線ならば誤魔化しが効くが、こいつは否定のしようがない。
 どうしようかと考えていると少女が口を開いた。

「あの、すいません」
「はい! どしたのっ」

 急に話しかけられたものだから心臓が飛び出そうな程驚いた。
 一瞬バレたのかと思ったが少女は未だに上を見ており、その可能性は低そうだ。
「良かったらお水もらえませんか? ノドが気持ち悪くて」
 そりゃ上を向いていたら血が喉に入り込むからそうなるよな……。
「いいよ、ちょっと待ってて」
 少女の視線に目を配りながら、ゆっくり立ち上がり台所に向かった。
 グラスを手に取り蛇口をひねる、水を淹れながら下腹部を見ると驚いたお陰か、息子はすっかりショボくれていた。
 はー怖かった。
 冷静になって考えてみたら、今のはかなりリスクが高い行為だったな……。
 緩やかな休日が一転、危うく性犯罪者になる所だった自分に寒気を覚えながら、水の入ったグラスを持って寝室に戻る。

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