「んっ、はぁ……、ふぅ……んっ……」
(もうダメ……我慢できないっ)
「んぅっ! ~~~~!!」
一瞬、頭が爆発したと思った。
視界が真っ白になったかと思えば、目の前には火花が散っている。
強く閉じた目蓋を開けると眩しくて、辺りの輪郭がぼやけて見えた。
「あっ……はぁ、はぁあぁ…………」
不随意に跳ねる躰を止められない。
足の指は握りこまれたまま元に戻らず、吊りそうな感覚がした。
「――っはあぁぁぁ」
重い息を一つ吐いて落ち着いた後、体を動かせるか確認する。
すっかり弛緩した筋肉は私の言うとおりに動くようになっていた。
徐々に呼吸も落ち着き、ようやく考える事が出来るようになってきた。
倦怠感が抜けない体を動かしながら、私は無性に満足感と喪失感を感じていた。
(私……何か病気なのかな)
右手を真上に伸ばして指に付着している液体を明かりに照らす。粘度が増している液体は水あめのようにキラキラと光っていた。
指を滑らせてみるとぬたぬたとした感触が官能的な刺激を届ける。
連動するように心臓の鼓動は高鳴り、糸を引く指を見ていた私は、そうするべきだと思うまま、指を口に含んだ。
「ちゅぱ、ん……んむ、っはぁ」
(なんだか……変な味がする……)
熱を帯びた水あめは想像と違い少しだけしょっぱく、舌に残る苦みがあった。
舌に絡みついてくるから、転がして遊んでいると次第に唾液に溶けていき、少しすると口の中から完全にいなくなってしまった。
口に含んでいた指を離し、指先から引いていた糸が切れるのを確認してから、不意に気付いた。
そういえば……これ、私の股から出てきたんだった!
「うえ~~」
時すでに遅し。
私は精一杯舌を出して吐き出そうと試みたが、既に液体を嚥下して胃の中に送り込んでいた。
※
「――じゃあ、交渉成立という事で」
俺がそう言うと彼女はゆっくりと頷いた。
椅子から立ち上がり、彼女の背後へと向かって歩く。彼女は近づく程に、ビクビクと体を揺らしていたが明確な拒否は示さない。
背後に立った俺は、彼女の巨大なたわわを支えている肩に手を置くと、彼女の小刻みな震えが手を伝播して伝わる。
「心配しなくても、今日は大丈夫ですよ。時間もあまりないですから。とりあえず――明日から、ね」
「……はい」
従順的な姿勢を見せる彼女は触っていても何も言わず、それをいいことに俺は、華奢な肩を撫でまわしながらうなじを眺めていた。
肩をすくめ、蛇に睨まれた蛙のように縮こまる彼女は、指が躰を這うと小さく跳ね上がる。
その度に、彼女の双丘は追いかけるように快活に弾み、委縮している彼女とのギャップが見ていて面白かった。
「あ、あの……」
彼女はおずおずとした態度で言った。
「もうそろそろ……結花もこっちに来るでしょうから……」
「――そうですね」
彼女の言葉で、すっかり失念していた娘の存在を思い出し、寝室の方へ目を配る。
そういえば、母親の言葉に返事をしてから少女の音沙汰がない。もしや、二度寝でもしているのだろうか?
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