フリーターと隣人少女(4/4)

「……そんなの、見損なわれそうで言えないよ……」

「つまり、見損なわれそうなことで恥ずかしくなってるわけだ。初めて触られるのにいやらしい声を出す自分が恥ずかしくて、見られたくないんだな。可愛いじゃないか」

 わざとらしく圭吾は言葉にすると。顔から火が出そうなほど火照った彼女は完全に押し黙ってしまった。嬌声を漏らさないことで否定しようと画策しているのだろうが圭吾が秘裂の一番上、固く尖った部分に触れると、

「ああああっ!」

 あっけなく桜は呻き声を漏らしてしまう。未知の快楽に身体を戦慄かせる桜の反応が楽しくて、圭吾の指はクリトリスを何度も責め立てる。

「あっ、あああっ! そ、そこだめっ、声、でちゃう、ひあ、ああああ……」

「別に声ぐらいいくら出してもいいよ。桜の声、高くて細くて可愛いしこっちも気分が乗るからな」

 言いながら、圭吾は桜の頬にキスをした。唇の感触に顔を背けていた彼女は圭吾のほうへ向き直るとこちらを見つめてくる。

 暫し互いの目を覗いた後、二人は同時に唇を近付けた。

「んむ……んちゅ、ちゅ、ちゅぱ、ちゅ……」

 桜の口内は先ほどよりも熱く、とても興奮しているのがわかる。それは圭吾も同じだった、彼女の身体を弄り倒して興奮の極みに到達しようとしていた圭吾の下腹部は熱く、固く膨張していた。

「桜……そろそろ俺のほうが限界だ。もう入れるぞ、いいか?」

 圭吾の問いに桜はコクリと頷いた。

 圭吾は愛撫していた手を止めて、彼女のズボンを下着ごとずり降ろした。薄く、綺麗に手入れされた陰毛の先に薄く赤みがかった秘所の唇が姿を現す。あまりの綺麗さに、自身でも弄ったことがないのだろうと容易に想像できるほどだった。

 今からそんな真っ新な場所に自分の逸物を埋める。そう思って息を荒げた圭吾は服を脱ぐ。

「うわぁ……」

 驚きの声を上げたのは桜だった。

 初めて見る怒張。その姿に桜は驚いて目を丸くした。それもそのはずだ。圭吾のサイズは平均的ではあったが、肝心の桜の身体はとても小柄なのだ。

 無論、彼女の秘裂も小さなもので、相対的に圭吾の剛直がとても暴力的な大きさに見えてしまっていた。

「そんな大きいのが、入るんですか?」

「……もしかして怖いのか?」

 圭吾の言葉に桜の柳眉がピクリと動く。どうやら図星のようだった。

「どうする? どうしても無理だと言うならまた日を改めるが……」

「……でも、こんなになってるのに途中で止めて苦しくないんですか?」

「……苦しい」

 未経験の桜でもわかるほど、怒張は血管を太くして今か今かと隆起していた。彼女のことを考えて言いはしたが、正直ここで止められるのは生殺しのようなものだった。

「大丈夫です。続けてください」

 彼女もそれを察したのだろう、ごくりと生唾を飲み込んだ桜はそう言った。

「本当にいいのか?」

「だって、圭吾さんとても苦しそうですもん……大丈夫、注射と同じで見ないようにしていれば耐えれますっ」

(それはそれでこっちも申し訳がないんだが)

 挿入中、破瓜の痛みに耐えて必死になって目蓋にシワを寄せる桜を想像すると、どうにも挿入するのに抵抗を覚えてしまう。

「そうだ。じゃあこうしよう」

「え、ひゃっ」

 圭吾は桜の身体を掴み、くるりとうつ伏せに回転させた。桜は膝を床につけて、上体だけをベッドに預けた状態になる。

「これなら挿入されるのが見えないし、この体勢は痛みが少ないって聞く。悪いが正直なところ、桜の言う通り限界に近いんだ。これでするぞ」

「は、はい……お願いします」

 まるで自分から頼んでいるような返事をした桜を尻目に、圭吾は秘所に剛直を擦り付ける。そして小さな穴を狙って照準を定めると、ゆっくりと桜の身体に剛直を埋めていく。

「ん……くぅっ……」

 桜の身体がびくりと跳ね、苦悶の声を上げる。しかし、想像よりは小さな声に圭吾はほっと胸を撫でおろして挿入を続ける。

「んく、ああ……ぐ、ううぅ……」

「大丈夫か?」

「は、はい……思ったより痛くはないです。それになんだか、黒崎さんと一つになってるのを感じて……温かいです」

 人との繋がりが希薄だった桜にとって、肌を重ねる行為はコミュニケーションの一種に当たるのだろう。物理的に一人ではないという状態が彼女を安心させているのかも知れない。

 その様子をみてもう少し早く動いても問題なさそうだと圭吾は挿入する動きを速めた。

「あ、んん……っ、はぁはぁ、今どれくらい入ってるんですか……?」

「ちょうど今、全部入ったところだよ」

 言葉通り、圭吾の剛直は小柄な桜を貫いて根元まで刺さっていた。破瓜の血が滲んで剛直を伝う。圭吾は見下ろすようにその姿を見て満足感に酔いしれた。

「じゃあ、これで終わりですか……?」

「いーや、今からだよ」

「えっ? んっ! あ、ああっ! ああああ……っ!」

 突然始まった抽挿に桜は声を荒げた。幸い事前の愛撫で蜜が溢れているおかげか痛みはそれほどないようで、痛みというよりは知らない感覚に戸惑っている、といった声だった。

 それよりも、桜の膣内はとても具合が良く、動かすたびに無数の手に怒張を擦られているようだった。

「すぐ終わるから……もう少しだけ待ってくれ」

「ん……っはぁ! は、はいっ! ああっ!」

 我慢に我慢を重ねた末の挿入。それに加えてこの名器だ。圭吾は言葉通りにすぐさま昇天してしまいそうだった。

 抽挿を続けていると呟くように桜が言う。

「く、黒崎さん……んあっ、好きっ、ひ、ひぐっ……好きですぅ……んんん」

「桜……!」

 必死になって恋慕の言葉を伝えようと喘ぎ声を漏らす。圭吾はこんなに可愛い生き物を人間以外を含めても見たことがなかった。

 気を遣おうとは思っていても、本能に抗えずにピストン運動が激しくなってしまう。怒張は更に硬度を上げて、桜の体内に樹液を注ぎこもうとしていた。

「駄目だ、止まらない……! 桜っ、膣内に出すぞっ! もしも出来たら全部責任を取ってやるからっ!」

「あっ! ああっ! んんっ! ひあああああああああ……っ!」

 言ってからすぐさま、精液が登ってくるのを感じた。そのまま我慢すること無く、圭吾は桜の膣内に自身の種子を勢いに任せてぶちまけた。

 それでも圭吾は腰の動きを止めることは無く、余すことなく種子を発射するまで腰を動かし続けた。

「んあ……ああ……はああ、ああ……」

 身体の中に体液をまき散らされた桜は徐々に声の調子を落とし、はぁはぁと身体を揺らして呼吸を始める。その様子を後ろから見ていた圭吾は剛直を桜から引き抜いた。そして、彼女の頭にぽんと手を置いた。

「終わったぞ桜、最高に気持ち良かった」

「ほ、本当、ですか……へへ、良かったです……」

 そう言ってから桜は、気を失うように意識を飛ばした。

 休日。マンションの一室で惰眠を貪っていたら呼び鈴が鳴り、圭吾は目を覚ました。

 連続で何度も鳴り続ける呼び鈴に圭吾はベッドから跳ね起き、玄関に向かって走っていくと、扉を開けた。

「何度も鳴らさなくても呼べば出るよ」

 扉を開けた先にいたのは桜だった。桜に向かってそう言うと、彼女は怪訝な表情をする。

「そんなこと言って、一回で出て来た試しがないじゃない。わたしが寂しくて死んじゃったらどうするつもりなのよ」

「寂しくて死ぬって、ウサギかよ。あ、もしかして兎年?」

「残念。寅年です」

「マジかよ、似合わねぇ」

 寂しくて死んでしまう虎など聞いたことがない。そう思った圭吾は笑いながらそう言った。

「いちいちうるさいなぁ。それより今日は何の日かちゃんと覚えてるんでしょうね」

「あん? なんだっけ……」

「ちょっと……本当に言ってるの?」

「いや、嘘。ごめん。覚えてるから。ちょっと準備するから適当にくつろいでてくれ」

「もう、しっかりしてよね。そんな調子だとお母さんに文句言われるわよ」

 部屋に入った桜は身だしなみを整えている圭吾に対して延々と文句を言う。圭吾はそれを「はいはい」といなしながら正装に着替えていた。

「あっ」

「どうした?」

 文句を言っていた桜が突然驚きの声を上げて圭吾が振り返ると、桜は愛おし気に自身のお腹を撫でていた。

「多分だけど、今蹴ったかも」

「マジかよっ」

 出会った時と比べて、一回り大きくなった腹部。最初に肌を重ねてから数か月、桜は少女から母親になろうとしていた。

「この子もきっとお父さんに文句言ってるのよ。だらしない態度を取ってるとわたしのお母さんに嫌われて、わたしたちから引き離されちゃうぞって、そしたら約束破ったことになるからわたしも怒っちゃうかも」

「そうなったらお前を連れてお母さんが許してくれるまで駆け落ちでもするさ……もうすぐ準備が終わるからもうちょっとだけ待ってくれ」

「へへ……うんっ」

 新しい生命を宿した桜は、最初と違う柔らかい笑顔で返事をした。その姿を見て圭吾にも自然と笑みが浮かぶ。

(さて、気合入れていくぞ)

 今日は桜の母親と会う日だった。勿論ただ会うだけでここまで準備はしない。大事な要件を伝えるための正装だった。

 大事な要件とは、言うまでも無く娘である桜を貰い受けることだ。上手く事が運べば、今日から桜と俺は一緒に暮らすことになる。

「よし、準備が出来たぞ……どうした桜、こっちを見て」

「……圭吾。わたし、今寂しくないよ」

 大きくなったお腹を両手で抑えながら、桜は満面の笑みを浮かべて圭吾にそう言ったのだった。

<END>

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