膜を貫く確かな感触。
少しだけ大きな声を上げた静江は、咄嗟に口を押えた。
流石に痛みがあったのだろう、身体を支える脚を震わせながら、全身に力を入れて緊張しているようだった。
その姿が痛々しくて、少し止めて様子を見ようと思ったら、静江は「大丈夫」と声を掛けてくる。
「これは違うの……ちょっとだけ痛かったけど、それよりも嬉しくて……身体が悦んでるの」
静江は呟くようにそう言えば、膣肉がキュウウ……と締め付けてくる。
女性が絶頂を迎えた時の、抱きしめるような膣の動きに、龍之助は静江が我慢してるのではなく、悦んでいるのだと実感する。
これだけ気持ちよさそうにしてくれているのだ、最早止める道理もない。
挿入しただけで、嬉しくて絶頂してしまう、そんな可愛らしい変態マンコを、一刻も早く愉しみたい。そう思った。
「それじゃあ、動いても大丈夫かな……?」
龍之助の最後通告に、静江は目を弓のようにして、はにかんだ。
「うん……私の身体。たっ君専用に作り直して」
バチュン!
「んぎっ……!」
静江の誘い文句に我慢出来ずに、龍之助は最奥まで剛直を埋め込んだ。
不意に入り込んできた刺激は相当なものだったようで、静江は息を荒げながら先ほどよりも強く身体を痙攣させている。
ハッ、ハッ、と。苦しそうに呼吸を上げながら、身体中に伝播する快感に耐えている静江を尻目に、龍之助は抽挿を繰り返す。
「静江姉ちゃんの|膣内《ナカ》……凄い気持ちいいっ、具合が良すぎて、腰がとまらないよ……」
「んぁっ、はぁ、ぁぁ……っ、ほ、ほんと? た、たっ君が気持ち良くなってくれて、嬉しいな……」
上擦った声で呟きながら、静江は恍惚とした表情を見せている。
口を上げて酸素を取り入れながら、赤で染まった頬は痛みなんて感じさせず、ただ快楽を享受している様相をしていた。
自分が一突きするたびに、幸せそうに表情を崩す顔を見て、征服欲が満たされていき、龍之助のピストン運動は勢いが増すばかりだった。
「おあっ、あ、ああ……駄目だ、もう出ちゃいそう」
お預けを食らっていたせいか、溜まりに溜まった精液が瞬く間に尿道を駆け上がってくる。
もっと膣肉の感触を堪能したかったのだが、昂奮も最高潮に達していて、止まる余裕なんてなかった。
それは静江も同じようで、フェンスにしなだれかかっていた状態を大きく反らし、時期にやってくるであろう大きな絶頂に備えて、身体を強張らせている。
「私も……クる……っ、大きいのが、気持ちいいのが来ちゃいそう……! たっ君、たっ君……」
「ああ、すっご……締め付けが……」
絶対に離さない、といった感じで膣肉が固まった雄棒をギュウギュウに締め上げてくる。
子宮に子種を送り込もうと、しがみ付いてくる膣肉の感触が溶けるようで、とても抗うことが出来ない。
もっと、もっと気持ち良くなりたい。静江の膣内に射精したい。それだけしか考えられなくなってきた龍之助は、ラストスパートに入ろうとした。その時、
「結花ちゃん、あのゲームもうやった? モンスター捕まえる奴」
「うん。こないだ買ってもらったから、少しだけやったよ」
「いいなぁ~。私もお父さんにお願いしたけど、はぐらかされちゃったんだよね――」
遠くから、女の子の談笑が聞こえた。
声は徐々に近くなってきている、どうやらフェンスの前にある道を通っているようだった。
二人は咄嗟に動きを止めて、様子を窺う。
(うう……いいところだったのに~~)
寸前で止められた龍之助は、悶々とした気分のまま、彼女達が立ち去るのを待っていた。
しかし彼女達は会話が楽しくて仕方がないようで、あろうことか、フェンスのすぐ近くで足を止めて、雑談を始めてしまった。
「そういえばさ、結花ちゃんに付きまとってる男子いるじゃん? あれってなんなの? 付き合ってるとか?」
「あー……別にそんなことはないんだけど、ちょっと色々あって、困っています」
「なにそれっ、気になるんだけど――」
(早く……早くどこかにいってくれ~)
すぐにでも再開したい龍之助は心の中で願った。しかし彼女達の会話はまだまだ続きそうで、一向に離れる気配がない。
このままじゃ、お互い昂奮も冷めて、再びお預けを食らってしまう。それだけは嫌だ、ここまで来たんだ。なんとしても最後までヤッてしまいたい。
そう思いながら、身動きせずに待っていると、突然剛直からぬるりと肉が擦れる感触がした。
驚き声を上げそうになった龍之助が結合部を見れば、静江の腰がゆっくりと動いている。
膣肉の擦れる感触に惚けそうになりながら、龍之助は囁くように言う。
<ま、まずいよ、静江姉ちゃん。声出ちゃうって……>
<ん……でも、我慢できなくてぇ……>
言い訳しながらも静江は腰の動きを止めようとはしない。
生殺しとも言えるようなスローペースの抽挿だったが、バレたら終わるという背徳的な状況も手伝って、思わず喘いでしまいそうになるほど脳が痺れてしまう。
気持ち良すぎて腰が震える。それが静江の敏感なところを引っ掻いたようで、彼女は身体をビクつかせた。
<だめぇ……たっ君……それ、すごすぎ……>
<ご、ごめん……でも勝手に動いちゃって>
駄目だとわかっていても、本能がお互いを欲して身体を動かす。
制御できない二人の動きは、止めることはおろか、昂る感情に任せて徐々に、大きくなっていく。
頑張って声を押し殺していたが、ちゅく……。と、とうとう水音を鳴らしてしまった。
(まずいっ)
そう思ったも束の間、フェンス越しに疑問の声が聞こえた。
「んー?」
「どうしたの?」
「なんか音聞こえなかった?」
「私は聞こえなかったけど……どんな音?」
「ん~、なんだろ。にちゃ~って、スライムみたいな……?」
「スライムって……またわかりにくい例えを――」
にちゃ……くちゅ……ちゅく……。
「ほら! やっぱり聞こえない!?」
「……ほんとだ、何の音だろ?」
<ちょ、ちょっと静江姉ちゃん!>
<ごめん……ごめ、ん……止められない、気持ち良くて止められないよぉ……>
こんな状態だというのに、静江は快楽を優先してしまっていた。
どんどん激しくなる腰の動きに、声を押し殺していても、結合部分の擦れる水音は無情に鳴り響いてしまう。
剛直を扱き上げられ、辛うじて理性が残っていた龍之助も、どんどんと脳が壊され、頭が空っぽになっていく。
(だ、だめだ……もう……限界)
<ごめん……静江姉ちゃん……僕もう我慢できない>
<たっ君……?>
これからすることに一言だけ謝罪をしておいた。もしかしたら、大変なことになってしまうと思ったから。
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