3.22話

「おっほ……これは中々……」
 ベッドに移動した米田さんは、手を後ろについて腰を突き出すように座り込んでいた。
相変わらず膨れ上がっている男性器はグロテスクな様相のまま、ビクビクと蠢いている。私は大きく脚を開く彼の脚の間に挟まるように座っていた。

 私は言われた通りに上半身に着込んでいた全てを脱ぎ捨てて、露わになった乳房を潰すように押し当てながら、彼の雄棒が気持ちよくなるように動かしていた。
 既に唾液でぬるぬるになっている性器を、乳房で扱き上げれば逃げ出すように滑り出し、米田さんはその感触に喘ぎ声を漏らしていた。

 逃げ出す性器を手と胸で包んで捕まえると、今度は上下に動かして擦り上げる。
乳房が彼の骨盤に触れる度に、空気を含んだ衝突音が聞こえてくる。
 規則正しくなる音で、卑猥な事をしているのだと脳が認識してしまい、どうにも切ない気持ちが襲ってきてしまう。それに――

「んっ……ふっ……んぁ……」
 胸を動かす度。胸を抑える指が滑って乳首に擦れるせいで、口から勝手に艶のかかった息が漏れてしまう。熱の混ざる艶めかしい嬌声が、自分から出ているという事が信じられなかった。

「ん~、やっぱり胸でするのは正解でしたね。これで俺も気持ちいいし、美穂さんも気持ち良くなって一石二鳥ですもんね」
「気持ちよく……なんて」

 そうは言いながら、実際の所では米田さんの言う通りだった。
彼を愛撫する胸を止められずに、直接触られるよりも優しく躰に馴染む感覚は、いくらでも受け入れれる反面。なんとももどかしくて、焦燥感を覚える私は少しずつ奉仕の手を速めていた。
 
「まだそんな事言ってるんですか」
 彼はそういうと私の胸に手を伸ばして、押さえている指を少しだけずらし、乳首をピンと弾いた。
「あっ! ひん……」
「ほら、滅茶苦茶感じてるじゃないですか」

 乳首を弾かれる度に、私の躰は不随意に動く。どうしようもなく寂しくなってきた下腹部はモゾモゾと妖しく動きだしてしまう。
「はあぁぁ……や、やめ、てぇ……」
 湧き上がってくる快感に耐える為、自然と躰に力が入ってしまう。駄目だ、このままだとまた気をやってしまう。
 私はすぐに来るであろう波に備えて身構えた。しかし、もう少しという所で米田さんは乳頭から手を離してしまった。

「そんなに辞めて欲しいなら、しょうがないですね」
「あ……」
 胸を虐める指から力が抜けていき、ついには離れていくのを見れば、どうしようもない劣情が躰を巡る。
 私は思わず手を伸ばして逃げる腕を捕まえようとしていた。
「どうしたんですか?」
 米田さんの言葉に、私はハッとしてかぶりを振った。
「な、なんでもありません」

 自分は一体何をしようとしていたんだろうか。伸ばしかけた手を戻して、奉仕を再開する。これ以上話しては危険だ。早く終わらせないと、得体の知れない何かが私の躰を操って、とんでもない事をしでかしてしまう。危機感をに急かされるように、私は奉仕の腕を速めた。

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