3.24話

 男性器に吸い付いたまま、零さないようにゆっくりと引き抜いた後、私は喉を鳴らしながら、粘つく精液が引っかからないように飲み込んだ。
 その様子を見て米田さんが言った。
「別に飲むまではしなくても良かったのに、精液好きなんですか?」
 にやけるように話す彼の態度に、羞恥を覚えた私は顔の温度が急激に上がった感じがした。確かに、何で飲み込んでしまったのだろうか、そうするべきだと、そう思った私は何の疑いもなく彼の樹液を嚥下してしまった。
 これでは本当に、彼の性欲を満たす為の道具ではないか。
自分の行動に困惑していると、米田さんが手を伸ばしてきて私の頭を撫でた。

「いい子いい子」と、まるで子供のようにあやす米田さんに、私は言いようもない安心感がこみ上げて来た。言葉を失ってしまった私は目を閉じて、彼の手から伝わる幸福感に身をゆだねていた。

「それでは、結花にはもう伝えてあるので。後は宜しくお願いします」
 玄関前でしっかりと気持ちよくしてもった後。仕事に向かう美穂さんが俺に言う。
「安心してください。ちゃんと対価は頂いているので、責任を持って預からせてもらいますよ」
「……有難う御座います」
「いえいえ」
 訝しい顔をしながら礼を述べる彼女に相槌を打った後、仕事に向かう後ろ姿を見届けてから扉を閉めた。

 スマホを起動して録画した動画を確認する――よしよし、よく撮れている。
 画面には美味しそうに俺の性器にしゃぶりつく、美穂さんのだらしない顔が映っている。昨日撮った動画とは違って、かなりの近距離から撮影しているので顔がハッキリと認識できた。

 こんなに素直に言う事を聞くようになるなんて、やっぱり動画を撮っといて正解だった。
 万歳、文明社会。
自分の機転を自画自賛しながら、撮影した動画に夢中になってると、再び息子が元気になってきた。
 いかんいかん、これから結花ちゃんが家に来るのに。俺は興奮を抑える為に、動画を閉じてから、世界はどうやったら平和になるのかを一生懸命に考えた。
 うむむ――あ、そういえば。
二日前。結花ちゃんとの別れ際を思い出す。
 あの時、手に付いていた体液――絶対一人で弄ってたよなぁ。

 そう思ってしまうと、自然と彼女がベッドの上でオナニーに興じている姿を想像してしまう。
 結花ちゃんの事も美味しく頂きたい俺としては、なんとか手籠めに出来る方法はないかと考えている訳なのだが。相手は少女だし……あまり無理に攻めて、美穂さんに告げ口でもされたらあっという間に俺は性犯罪者だ。
 
 事は慎重に起こさなければならない。
 そう心に誓いながら下腹部を見ると、結花ちゃんの痴態を想像してしまい、愚息は完全に充血しきっていた。
 我ながら自身の性欲には呆れ果てる。
 俺は興奮を抑える為に、彼女が家に来るまでの間、戦争がなくなる方法について思案する事にした。

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